食物繊維とは、植物に含まれる繊維質の成分で、葉物野菜やゴボウ、果物の皮などに多く含まれています。シャキシャキとした食感や筋のような繊維感が特徴です。かつては、食物繊維は胃や小腸で消化・吸収されないため、栄養学的には価値のないものと考えられていました。
この「食物繊維」、実は体内で非常に重要な働きをすることが、近年の研究で明らかになってきました。
私たちの腸には、30〜40兆個もの腸内細菌が存在しているといわれています。食物繊維の最も重要な役割は、これらの腸内細菌が生きていくための環境を整えることです。腸内細菌は体内でさまざまな物質をつくり、それが人体に多様な影響を与えることが、この20年ほどの研究で分かってきました。
人それぞれが持つ腸内細菌の種類によって、病気になりやすい体質かまた、太りやすい体質かどうかが決まるとも言われています。
そして、食物繊維を多く摂ることで、有益な物質を作り出す腸内細菌が増えることが明らかになっています。言い換えれば、食物繊維は体内で有用な物質の「材料」となる可能性があるのです。また、食物繊維には水分を吸って膨らむ性質があるため、満腹感が長く続くという嬉しい特徴もあります。この“腹持ちの良さ”が、つい食べすぎてしまうのを防いでくれるのです。
食物繊維が豊富な食材
未加工の野菜や果物には、たっぷりの食物繊維が含まれています。
たとえば、ごぼう、キャベツ、ブロッコリー、さつまいもなどの野菜は、シャキシャキした食感にも繊維の力が関係しています。また、りんごの皮や、みかんの薄皮にも食物繊維が豊富に含まれています。野菜や果物を日常的にたくさん食べることが、減量への第一歩になります。
野菜ジュースは製造段階で食物繊維が除去されている
注意したいのは、市販の野菜ジュースの多くは食物繊維を除去して製造されているということです。これでは、せっかくの食物繊維の素晴らしい働きが得られません。
「できるだけそのままの形で食べる」ことが大切です。とはいえ、煮たり炒めたりなどの通常の調理では食物繊維は失われません。つまり、野菜や果物は皮ごと・丸ごと調理して食べることで、食物繊維のパワーを最大限に活かせるのです。
